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日本で初めて経営学を教え始めたのが、今の一橋大学の前身である東京高等商業学校の上田貞次郎氏。
それまで日本は「商業学」でした。上田先生はドイツ語の事業にあたる言葉を「経営」という日本語に訳しました。

上田先生は、以下のように「経営」を説明されたと聞きました。

「土地に何か目的を持って建物を建てようとした時に、どんな建物にしようか、どのような間取りにしようかと考える。その構想によって図面が出来上がるが、実際に建物を建てる時には、まず土地に糸を張っていく。そしてその糸に沿って建物を立てていく。それが経営ということ。」

つまり「経営」とは、
まず何か意思や意図がある。
それをどのように実現していくのか構想や道筋を練っていく。
そして、実際に実行し、成果を上げていく。
それら全てを含む概念ということになります。

今の経営学で使う言葉にすると、
まず大事なのは、目的・使命・志・夢・理念
その実現のための、戦略
そして、戦略を実行していくための執行管理、成果

だから良く考えなければならないのは、「経営」と「管理」は違うということです。
「管理」は、決められたことを正しく行うこと。

自分の頭で考えないで、他人に言われたとおりにやっていては「経営」とは言えません。
我が国も、役所の言うとおりにやる、業界横並びで同じことをする、そんな企業が多くありましたが、それは「経営」しているとは言えないのです。

ですから、まず経営をするというのは、
「自分たちは何のためにあるのか」
「何を実現しようとしているのか」
「何を大切にしているのか」
を明確にしなければなりません。
それは自分で決めることで、他人から言われることではないのです。

そして、「他との違いをどのようにするのか」「どこへ何を投資するのか」
戦略を決めなければなりません。

この10年、我が国も、企業も地方自治体も、しっかりと「経営」をしなければならない時代になりました。
今回の世界大恐慌で、それがさらに強まっています

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